「お陰様」のこころ

チャプレン 司祭 越山 哲也

 今年は例年に比べ雪が少ないですが、気温は寒い日が続いています。暦の上ではまもなく「立春」です。寒さの中にも少しずつ春が近づいてきています。
会津若松には十日市やだんごさしなど年の初めにも伝統行事があります。幼稚園でも1月のもちつき、2月には節分の豆まきの行事など季節の行事を大切にしています。
キリスト教の幼稚園ですけれど、子どもたちには会津の伝統行事や季節の行事を出来る限り体験して感じて欲しいと思っております。
 どの地域にも大事にされてきた季節の行事はありますが、会津は春夏秋冬を感じられる風土と気候の中で季節感をとても大切にしていると私は思います。
 子どもたちは感性が豊かです。その感性をどんどん豊かにしていくためにもこれらのことは大事なことではないでしょうか。
 私も大人になって、親になって分かったことですが、子どもの頃に当たり前のように迎えていた季節の行事を体験出来たのは両親や周囲のみなさんが環境を整えてくれていたからだと思います。
 「おかげさま」は感謝の気持ちを表す言葉ですが、元々の意味は他人から受ける恵みを意味する「お陰」に「様」をつけて、丁寧にした言葉だそうです。
 イエス様も古くからの伝統を単なるしきたりとして守るのではなくて神様から与えられた豊かな恵みであると教えてくださいました。豊かな恵みに感謝して、いつも「お陰様」の心を大切にして生きていきたいものです。