バディ、安らかに

チャプレン 司祭 越山 哲也

「わたしたちは、何一つ持たないでこの世に来た。また、何一つ持たないでこの世をさっていく。主が与え、主がとられる。主のみ名はほむべきかな。」(聖書のみ言葉より)

1月26日(月)の朝の通園時に、保護者の方から「バディ」の死の知らせを伺いました。すぐに先生方にも伝え、子どもたちにもお話をしました。幼稚園の保育室にあるクライムイングウオールにも5匹のワンちゃんが仲良く描かれており、その一匹がバディです。バディの絵を子どもたちがお花で囲み、お祈りをしました。
 バディのことを知らない子どもたち、保護者の方もいらっしゃると思います。2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、幼稚園には本当に多くの方々からのご支援を頂きました。その中で、東京の聖公会立教女学院小学校で「動物介在教育」を行っている中心人物である吉田太郎先生が一匹のワンちゃん「バディ」を連れて幼稚園に遊びに来てくださいました。震災後まもない時だったと思います。その時の様子を今でも私ははっきり覚えています。子どもたちがバディに寄り添い目を輝かせていました。それから吉田先生は何度も若松を訪ねてくださり、バディの他にもリンク、ブレス、ウィルを一緒に連れてきてくれました。それから今まで継続して立教女学院と聖愛幼稚園の交流は続いています。バディの容態が良くない時は子どもたちから毛布を送ってあげました。みんなでバディの回復を願っていましたが、天国へと旅立っていきました。
「動物介在教育」にとって「死」も大切なテーマです。冒頭の聖書の言葉から私は死んでいくものは思い出を残していくのではないかと思いました。バディとの出会いを通して与えられた思い出と大きなお恵みを忘れずに「いのち」の尊さをいつも心に刻みながら生きていきたいと思いました。