涙のアンカー

今年の運動会はとても心に残りました。仮園舎で園庭がない状況の中、快く校庭や講堂をお貸しくださった小学校には本当に感謝しています。そして、「借りたときよりもきれいに」といって率先してお掃除してくださった保護者の皆さまにも感動しました。
実はリハーサルのとき、こんな出来事がありました。種目は最も白熱するリレー。ほぼ同時のバトンリレーで、勝敗はアンカーに託されました。「早く!」「走れー!」と応援はこれまでにないほど大きなものになっていました。
しかし。スタート直後、一方のアンカーが転んでしまったのです。誰もが「あーっ!」と息をのみました。そして・・・。相手のアンカーはどうしたと思いますか?やったー、ラッキーとニコニコ走ってゴール?
いえいえ。振り返って「がんばって!」と声をかけたのです。もちろんリレーですからきちんと走り、勝ってゴールしました。負けてしまった子は涙をこらえきれない様子でゴール。お友だちや先生にやさしく迎えてもらいました。
「大丈夫?」ではなく「がんばって!」という声かけは、「あなたなら一人で立ち上がってまた走れるよ!」という信頼にあふれています。涙を浮かべながら最後まで走りきった子も、その信頼に十分応えました。記録よりも記憶に残る名アンカーの二人でした。