【8月・9月の言葉】平和を実現する人々は幸いである

 連日の猛暑を増幅させるようなセミの鳴き声が響きわたっています。土に中にじっと留まること8年、やっと地上に出て羽化してからの命は1週間、与えられた僅かな地上での生涯、懸命に雌セミを呼び求めている命の営みの声であることを思うと、鳴き声にも「頑張って!」と応援したい気持ちになります。

 8月9日、お預かり保育の子どもたちとプールあそびを楽しんでいた時、長崎に原爆が投下された時刻に合わせサイレンが鳴ることを伝えるアナウンスの声が聞こえてきました。子どもたちに「昔、大きな爆弾が落ちてたくさんの人が死んでしまったんだよ。その人たちがみんな神様の所に行けるようにお祈りしようね」と言い終わる頃、サイレンが鳴り響き始めました。子どもたちみんなが目を閉じ、サイレンの音に耳を澄ませました。はと組みさんの一人が「ばくだんでしんでしまったひとはとてもかわいそうです。かみさまのところへいってしあわせになれますように、かみさまおねがいします」と小さな声でお祈りしているのを聞きながら子どもたちへのいとおしさに思わず胸が熱くなった夏の日でした。

 実際に戦争を体験した世代でなくても、セミの鳴き声と夏の暑さが、平和への願いと重ね合わされるこの8月、子どもたちを再び戦争の惨禍へと追いやることなく、その命を最後までまっとうし輝かせ続けることができるように、平和への決意を新たにすることの大切さを思います。8月の聖書のみ言葉「平和を実現する人々は幸いである」(マタイによる福音書5章9節)は、すべての大人たちに向けてこの上なく大切な課題を与えてくれているように思います。