【11月の言葉】恵みの分ち合い

 園庭に色とりどりの落葉の絨毯が敷きつめられる頃になりました。秋は様々な行事が目白押し、それらひとつひとつを思いっきり楽しみながら、子どもたちは心のアルバムに大切な思い出のページを一枚ずつ増やしています。

 11月に行われる「収穫感謝祭」は皆様にあまり馴染みがないものかもしれません。この直接の起源は、信仰の自由を求めてアメリカに渡った英国のクリスチャン(ピューリタン)たちにあります。彼らにとって大陸の開墾は困難を極め、最初の冬に多くの移民が命を落としました。それを見た先住民は彼らを助け、収穫を得られるようにと支え、翌秋、畑には豊かな実りがもたらされました。その最初の収穫の時、神に、そして自分たちの苦しみに手を差し伸べてくれたアメリカ先住民の友人たちに感謝して礼拝を捧げたこと始まり、現在では日本でも多くの教会で11月の第4日曜日に収穫感謝の祈りが為されています。

 聖愛幼稚園では、収穫感謝の礼拝の後、それぞれの家から持ち寄った野菜や果物、幼稚園の畑で収穫した大根を使ってのお料理を楽しみ、皆でいただきます。この行事を通して、秋の実り、地の産物に限らず、私たちが日々必要なものを与えられ、生かされている恵みを感謝する心が育まれることを願います。と同時に、その与えられた恵みを「独り占め」することなく、困っているお友だちと「恵みを分ち合う」ことの大切さを忘れないこと、それが「収穫感謝」の大きな意味であり喜びであることを、子どもたちに伝えることができればと思っています。


photo by Eiji Yahagi