【6月の言葉】自然の恵み

 「先生!来て来て!赤くなってる!」子どもが一人、一大事件だとばかりに走りよってきました。行ってみるとそこにはイチゴが一粒赤く実っていました。何日も何日も「まだかなあ。」と待っていたイチゴです。「とっていいよ。」と言うとちょっとびっくりした顔。今年初めてのイチゴ、1粒だけなのに、自分がとっていいのかなあと考えている様子です。「とったら小さく切ってみんなで食べようね。」と言うと安心してとってくれました。今日は今年初めてのブロッコリーも収穫。塩茹でしたものをほんの少しずつちぎってみんなでいただきました。「おいしい!」「甘ぁい!」と嬉しい反応に「ね!」とこちらも笑みがこぼれます。

 トマト、きゅうり、里芋、オクラ、すいか、じゃがいも、ぶどう、さつまいも、落花生などなど。子どもたちに野菜が育っていく様子をみせたいという教会の方のボランティアをいただき、幼稚園には自然の恵みがあふれています。年長児を中心に朝顔も育てはじめました。登園すると水撒きが日課となりました。

 トマトは小さな赤ちゃんのときから、立派にトマトの形をしていること、(でも、緑色で硬そうなこと)、イチゴは初め緑色でその次に白くなって最後に赤くなること(赤くても色の薄い部分はおいしくないこと)。毎日大発見が続いています。幾日も育つ様子を観察し、食べられる日を心待ちにし、いよいよ自分の手で収穫するときのワクワク感や、一つの小さな野菜をみんなで分かち合って「おいしいね。」と言い合いながら食べる幸福感。自然の恵みは本当に多くのものを子どもたちに与えてくれるようです。