山の感謝祭

落ち葉で焼き芋をし、柿をもいで食べていたこの季節。今年は残念ながらいつもと違った秋が訪れています。
今月は「収穫感謝祭」が行われます。この行事の由来は米国に渡った移民たちが収穫感謝の祈りを捧げたことによります。移民たちの開墾は困難を極め多くの死者もでました。絶望の中、先住民たちが助けてくれたことが大きな力になり翌年は沢山の収穫があったといいます。その先住民を招いて共に食卓を囲み、神へ収穫の感謝を捧げたのがはじまりだそうです。
今私はその移民たちの思いを深く理解できるような気がしています。原発事故の影響で、せっかく育てた作物を泣く泣く廃棄しなければならない農家の方々の涙、家族同様の牛たちを捨てて来なければならなかった苦悩を見るにつけ、私たちの“食”が多くの方々や動植物によって支えられていたことを思い知りました。実りを得るまでには大変な労苦があり、動植物に対する愛情があったということを頭ではなく心で感じました。
また、遠くの仲間たちから様々な実りが送られてきました。自園でお芋掘りをして送ってくれた幼稚園もありました。「いつもみんなのことを思ってお祈りしています」というお手紙もいただきました。先住民が困っている友人を助けてくれたように、私たちにも支えてくれる仲間たちがいることも思い知りました。
先月から今月にかけて「山の感謝祭」という歌を歌っています。お山のうさぎやリスたちが神さまに食べ物を感謝する歌です。最後の歌詞はこうです。♪お山のみんながもうします。神さまみんなありがとう。♪
どうか私たちが目に見えない部分にも思いを馳せることができ、幸せは分かち合おうと思える心。みんなみーんなに感謝できる心を持つことができますように。