今月の言葉

【6月の言葉】むぎゅーたいむ

ある新聞のコラムにこんなことが書いてありました。「年老いて聴覚や視覚が衰えても、皮膚感覚は最後まで残ります。赤ちゃんと同じようにスキンシップが大切なのです。」老いや病への不安、孤独との闘いの中にあって、自分以外の人のぬくもりは多くの癒しを…

【5月の言葉】桜さく

なかなか春を満喫できないお天気続きですが、それでもこの季節は心躍ります。待ち遠しかった桜もやっと咲き、薄いピンク色の花びらを大きく開いています。その下をお家の方と一緒に、幼稚園にやってくる子どもたち。絵になるなあ・・・、と思いながらお迎えして…

【4月の言葉】スタート

桜の枝を見上げると、いつのまにか黄緑色のつぼみが沢山顔をだしていました。小さな体いっぱいに春への期待を吸い込んで、かわいらしくて、でもちょっとはずかしそうで、新しく入園してくるお友だちもきっとこんな気持ちなんだろうなと思え、とても愛しくな…

【3月の言葉】はとぐみさん!!

日ごとに春めいてきています。心が躍りだすような陽気であるはずなのに、毎年この季節には言いようのないせつなさが・・・。いよいよ、はとぐみさんの卒園です。準備も始まっています。今まですごした日々を振り返りながら、卒園式で自分が言う言葉などを考えて…

【2月の言葉】見えないものこそ

「目に見えるものよりも、目に見えないものを大切に」と心がけながら保育したいと思っています。私たちはときに目に見えるものだけに心を奪われ、人間関係においても好意をもっているということを絶えず表に出し伝えなければ、もしくは受け手としてそれが伝…

【1月の言葉】与え、分かつ

初雪が早いと根雪は遅いとご近所の方がおっしゃっていました。二学期の間はなかなか雪は積もりませんでしたが、今部屋の窓からはバケツの雪をひっくりかえしたような?雪が降っています。走り回ってわざと転んで大笑い、大きな雪だるまに得意げな顔、不意に…

【12月の言葉】受けるよりも

子どもたちが毎週お捧げしている献金。「困っている人たちに使ってもらおうね。」と話しています。今年の送り先の一つは、フィリピンの子どもたち。争いや天災などで貧困を余儀なくされているそうです。現地の写真を大きく引き伸ばし、子どもたちに見せてみ…

【11月の言葉】100年ひとむかし

〜地球の人口は約60億人。一人について一秒だけ会ったとしても全員と会うには190年もかかる。〜ラジオからそんな歌が流れてきました。幼稚園に集う私たちが出会えていることは、決して偶然なのではなく、ある意味奇跡なのかもしれません。そして、百周年とい…

【10月の言葉】祈りとともに

ナーサリールーム(未就園児プログラム)に参加された方が「園児が本当にやさしいですね。」と言ってくださいました。自分が持っているおもちゃを「これで遊ぶ?」と手渡してくれた。順番が守れなくても「小さい子だからまだわからないんだよね。お先にどう…

【8月の言葉】和気あいあい

今年は梅雨が長々と続く夏となりましたが、皆さんはどのような夏休みを過ごされましたか?久しぶりに会う子どもたちは、いろいろな経験をして、きっとまた一つ成長しているのでしょうね。私たちもなんだか、そわそわ楽しみな気持ちです。離れて暮らしている…

【7月の言葉】名前は祈り

名前はその人のためだけに 用意された祈り 若き日の父母が 子に込めた願い 幼きころ 毎日 毎日 数えきれないほどの 美しい祈りを授かった 祈りは身体の一部に変わり その人となった だから心を込めて呼びかけたい 美しい祈りを (毛里 武)研修へのご理解を…

【6月の言葉】自然の恵み

「先生!来て来て!赤くなってる!」子どもが一人、一大事件だとばかりに走りよってきました。行ってみるとそこにはイチゴが一粒赤く実っていました。何日も何日も「まだかなあ。」と待っていたイチゴです。「とっていいよ。」と言うとちょっとびっくりした…

【5月の言葉】となりのこいのぼり

幼稚園のこいのぼりは、運動会の万国旗のように横に連なっています。吹き流しや真鯉は大きくて地面に着いてしまいますが、手で触ったり、端を持って人力でそよがせたりできるので、かえって子どもたちには好評のようです。こいのぼりを見上げる子どもたちの…

【4月の言葉】さあ!船出だ!

聖愛幼稚園は2階に礼拝堂があります。天井を見上げると、屋根の形や梁のさまなどが船の底のように見えます。ときには穏やかな海を、ときには荒れ狂う嵐の海を目的地に向けて航海するための船、神さまの愛に守られたノアの箱舟、そんな想像が膨らみます。 今…

【3月の言葉】小さき者たちへの讃歌(続) そして…

前号につづいて、小さき者たちへの賛歌を歌いつづけたいと思います。 小さき者たちは優秀なアスリートたちです。ブランコがこげずにいた春、しかし、すぐにこげるようになりました。青空に向って振り幅が飛躍的に大きくなりました。鉄棒の逆上がりもしかりで…

【2月の言葉】小さき者たちへの讃歌

小さき者はほんとうに可愛い。これが、私の幼稚園での結論であり、感動です。それは理屈抜きの可愛さです。私にも孫がいますが、またそれとは違った感情です。みんなひとりひとり可愛さが違います。 小さき者たちはなかなか手強いです。私をじっと見ています…

【1月の言葉】五十年ぶりの年賀状

新年あけましておめでとうございます。 今年も正月は年賀状を楽しんでいました。楽しむとは、年賀状を介して、ひとりひとりと会話ができるような気がするからです。普段は逢えない人とのつながりを感じたり、顔を思い浮かべることが心を和ませてくれるのです…

【11月の言葉】 我思う(2)

先月に続いて、とりとめもないよしなしごとを綴らせていただきます。 もう半世紀も前に読んだ本で、武者小路実篤の「若い日の人生」があります。白樺派と呼ばれ明治末から大正にかけて、日本の近代文学の象徴的な存在でした。それは人道主義、理想主義を標榜…

【10月の言葉】我思う

季節も秋の装いを深めております。この季節はなんとなくセンチになります。春のあの桜の花の下での心ときめかした思い。いわばそれはI hopeでした。その季節を過ぎ、秋は物思う季節 I thinkです。 昨夜、三年前に読んで感動した『砂漠でみつけた一冊の絵本…

【8・9月の言葉】 夏―少年の日

夏が終わろうとしています。この原稿を書いていると、突然蝉が鳴き始めました。一斉に鳴き始めました。蝉しぐれです。 ところで、今年の夏は、蝉がことのほか鳴かなかったでしょうか。私だけの思いでしょうか。女房に聞いてみたりしたのですが、特に答えは得…

【7月の言葉】無駄なものはない

先日の朝日新聞のコラムで免疫学者の多田富雄(東大名誉教授)さんが次のようなことを述べておられました。 「私は現役の頃、専門外のことに熱中し、能や文学など、無駄な道草を食ってきました。でも、無駄に見えても、あとで役に立つことはたくさんあります…

【6月の言葉】緑したたる

万緑の中や吾子の歯生えそむる 草田男 この季節になると、いつもこの句が思い浮かびます。「万緑」「吾子」「歯」という言葉ひとつひとつに若いひとりの父親の感動している姿がありました。若かった時代―それは誰もが、希望や喜びを自分の籠いっぱいにあふれ…

【2月の言葉】「これしか」ではなく「こんなに」

昨年ほどではありませんが、雪の少ない冬になっています。年末年始に積もった雪も大分少なくなりました。ダイナミックな雪遊びが出来ず、子どもたちにとっては少々物足りない冬のようにも思いますが、それでも僅かに積もった雪で出来得る限りの雪遊びを楽し…

【1月の言葉】共に担い、共に喜び

年末から年始の大雪には皆さまきっと驚かれたことでしょう。雪かきのためいまだに体中が痛く、今年の雪はこれで終わりであって欲しいと思いますが、どうなることでしょう。 昨年春に駐車場を拡張したため、雪かきの面積も倍増し、元旦早朝これから格闘しなけ…

【11月の言葉】恵みの分ち合い

園庭に色とりどりの落葉の絨毯が敷きつめられる頃になりました。秋は様々な行事が目白押し、それらひとつひとつを思いっきり楽しみながら、子どもたちは心のアルバムに大切な思い出のページを一枚ずつ増やしています。 11月に行われる「収穫感謝祭」は皆様に…

【10月の言葉】運動会ごっこ

畑を焼く匂いが漂う秋の気配に、大きく深呼吸をしたくなる朝を迎える頃になりました。爽やかな秋晴れのおひさまのもと、子どもたちはいま「運動会ごっこ」を楽しみながら毎日を元気に過ごしています。ご存知のように、聖愛幼稚園ではクリスマス同様、運動会…

【8月・9月の言葉】平和を実現する人々は幸いである

連日の猛暑を増幅させるようなセミの鳴き声が響きわたっています。土に中にじっと留まること8年、やっと地上に出て羽化してからの命は1週間、与えられた僅かな地上での生涯、懸命に雌セミを呼び求めている命の営みの声であることを思うと、鳴き声にも「頑…

【7月の言葉】互いに愛し合いなさい

梅雨の合間に訪れる真夏日に、子ども達が楽しみに待っていたプール遊びが始まりました。響き渡る歓声は、夏の暑さを心地よいものに変えてくれています。 「愛」という言葉はキリスト教の最も中心となる言葉です。キリスト教は愛の宗教だとされ、神の大いなる…

【6月の言葉】 生と死を考える

来る6月17日(日)会津ホスピスケア研究会主催「生と死を考える会津セミナー第20回記念大会」が「大切ないのちを生きる」をテーマに風雅堂で開催され、メインゲストとして「死生学」の第一人者である、アルフォンス・デーケン博士がご講演くださる予定です…

【5月の言葉】 人生の底支え

百花繚乱、花々が咲き競い、沈丁花の香り漂う春の穏やかな光の中で、子どもたちの元気な声が響き渡っています。進入園児たちも一日ごとにかかわりの範囲を広げ、お母さんがいない寂しさよりも、幼稚園であそぶ楽しさへ徐々に天秤が傾いているようです。 日本…